1983年にトラベル医師とサイモン医師等がトリガーポイントと筋膜性疼痛症候群(MPS)の概念をまとめました。
「トリガー」というのは「引き金」という意味で、ピストルの引き金を引くと、弾が遠くまで飛ぶように、トリガーポイントを押すと痛みをそこから離れた部位で感じる事から名付けられています。
これは神経の走行とは関係のない所で痛みを感じるため、「神経痛」ではなく「関連痛」と呼ばれています。
トリガーポイントが起こすこの「関連痛」が、医療機関をはじめ、痛み医療に関わる方にあまり知られていないため、痛む場所への治療に終始することとなり、長年痛みで苦しまれている方が多いことの背景となっています。
トリガーポイントは、関連痛や知覚過敏(しびれ)・違和感といった症状のほかに、感覚鈍麻・発汗・めまいなどの自律神経症状を引き起こします。このトリガーポイントによる痛みやその他の症状を引き起こす症候群の総称を(Myofascial Pain Syndrome, MPS)といいます。
画像診断ではわからない痛みや不定愁訴と呼ばれれる原因不明の症状の多くが、このMPSが引き起こす症状です。
(腰痛・肩こり・膝痛などの痛みや、痺れ感、頭痛、涙目、難聴、船酔い、つわりによる吐き気、ふらふらする…様々な症状にトリガーポイントは関わっていると考えられます。
筋膜・骨膜・腱・靭帯などの力学的にストレスのかかりやすい部位や、
特に筋膜が重なりあうことろに出来やすい。
同じ筋肉を酷使すると筋肉に微小な損傷や炎症が起こり筋膜に癒着が生じます。また、長時間同じ姿勢を維持したまま動かさない場合も癒着が起こります。その他にも、ストレス、加齢(水分の減少)、栄養状態や糖質の過剰摂取など様々な原因が考えられます。
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